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犬猫の胆嚢疾患

胆嚢(たんのう)とは

肝臓で作られる胆汁(消化液)を一時的に溜める袋状の器官です。
食べ物を摂ると胆嚢が収縮し、胆嚢内に溜まった胆汁が管(=胆管)を通って、十二指腸に放出されます。
放出(分泌)された胆汁は、膵臓の消化液などと一緒になり、食べ物中の脂肪分を消化吸収されやすいよう混ざり合わす役割を担っています。

胆泥症・胆石症とは?

胆泥症とは、元々サラサラな液状の胆汁成分が変質して泥状になったものが胆嚢に溜まることをいいます。
胆石症とは、何かしらの異常で胆嚢内の胆汁成分が変質して石のように硬く固まったもの(結晶化)をいいます。
また胆泥症から胆石症になることもあります。

主な症状

食欲不振、下痢、嘔吐、腹痛、黄疸、発熱などがあります。
胆汁の泥状態が軽度だと無症状のことも多いです。

診断

当院では、上記の症状から消化器官の状態を調べるため、超音波検査(エコー)検査を行い発見されることが多くあります。
症状が重く、原因が定まってない場合では、血液検査を行い、消化器系に関わる数値の異常があった際、もしくは結果が出るまでの時間に、超音波検査(エコー)検査を行い発見されることもあります。
また他の病症や健康診断などで超音波検査(胆泥・胆石)やレントゲン検査(胆石)を行った際にも見つかることがあります。

犬猫の胆泥症・胆石症の治療

利胆剤を用いて胆汁の濃度を下げ、泥状になった胆汁を液状に近づけ分泌しやすくします。
結晶化してしまった胆石症は、結石の大きさにもよりますが、胆汁の濃度を下げ、分泌しやすくなった胆汁と一緒に排出されるのを促します。
胆石が細かく量が多かったり、胆石のサイズが大きかったりすると胆管で詰まってしまうこともあります。
胆石が詰まったり、胆石が大きかったりした場合には、手術により結石のみを取り除くか、胆嚢の状態によっては胆石の除去と一緒に胆嚢も切除することになります。

胆嚢粘液嚢腫とは?

何かしらの原因により、胆嚢粘膜の粘液が増加し、ゼリー状の粘液が胆嚢に溜まります。
その流れにくくなったゼリー状の粘液が胆汁の通り道である胆管に充満し、胆汁の分泌を阻害されることをいいます。
胆汁が分泌されなくなったことで、胆嚢炎など様々な消化器症状を引き起こします。

主な症状

元気・食欲の喪失、嘔吐、黄疸などがあります。

診断

胆泥症・胆石症同様に超音波(エコー)検査により、発見されることが多いです。

犬猫の胆嚢粘液嚢腫の治療

軽度であれば食事改善やウルソデオキシコール酸などの利胆薬、抗菌薬を使い改善を図ります。
改善が見られない、状態が悪化するようであれば手術によって胆嚢を切除することもあります。

専門外来 CT・画像診断病理センター